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現存する建造物で、この規模の津波に耐えるものはほとんどありません。
津波が静まったとき、大半の臨海地帯が壊滅していることは明らかです。
また、コンビナートや超大型タンカーから流出した原油が海面を覆い、やがて海の生態系を破壊してしまうでしょう。
日本に約50基、世界では建設中を含めて500基近くの原子力発電所がありますが、残念ながらこれらは波高数十メートルという大規模な津波に耐えることはできないでしょう。
チェルノブイリの何十倍、何百倍という大事故が発生したとき、私たちは、生態系は、そして地球は間違いなく破滅することになります。
これが、「地球生態系の破局」という地球温暖化の究極のシナリオです。
私たち、特に先進国の人間が「大量生産・大量輸送・大量消費・大量廃棄」の生活を続けるかぎり、「こんなことは絶対に起こらない」と誰が断言できるでしょうか。
私自身、この地球がこんな形で破局を迎えるなんてあり得ないと思っていました。
しかし、これは「そんなことは起こって欲しくない」という願望に過ぎないことに気づきました。
このまま何も手を打たなければ、あり得ないことが「あるかもしれない」に、あるかもしれないが「あるに違いない」に変わっていくでしょう。
私たちがいますぐ行動することが大切なのです。
南極の氷床と棚氷の鉛直断面。
岩礁に棚氷が座礁しているために、内陸部からの氷の流れが抑制されている。
海水に接している棚氷の底面で、融解がどの程度進行するかによって、将来の海面の上昇量が著しく変わる。
海水の温暖化と海面上昇にともなって棚氷の座礁が解放されると、内陸部の氷が急速に海に流れ込む。
そのために、世界の海面水位が唐突に数メートルも上昇すると心配されている。
地球温暖化の原因。
地球温暖化は人間の活動によるもの地球温暖化の直接原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスが増えていることです。
大気中の二酸化炭素は、100万年前までは数千ppmほど存在していたとされています。
その後、急速に減少し、少なくとも1000年前から産業革命前までは280ppm程度で安定していたことが分かっています。
ところが産業革命以来、人間は工業化を猛烈に進めてきました。
石油・石炭・天然ガスといった化石燃料やゴミ、プラスチックなどを大量に燃やし、また吸収源である森林を大規模に伐採しています。
その結果、二酸化炭素がどんどん増加し、産業革命までは280ppmであった二酸化炭素濃度が、現在では360ppmを超えてしまいました。
IPCCも、前出の『地球温暖化第二次レポート』で現在の温暖化が自然現象ではなく、人間の活動によるものであることを正式に認めています。
産業革命以降人為的に排出されたますます増加する大気中の二酸化炭素濃度しかも、現在もなお、大気中の二酸化炭素は炭素換算で毎年33億トンずつ増加しています。
これは、化石燃料の燃焼や森林伐採によるもので、地球が何億年もかかって蓄積してきた炭素資源をわずか1〜2世紀で使い尽くそうとしているのです。
このように、二酸化炭素濃度増大の最大の原因は、明らかに先進国の「大量生産・大量輸送・大量消費・大量廃棄」という社会システムにあります。
それを裏付けるかのように、特にアメリカと日本という二つの消費大国における二酸化炭素排出量の増加が際立っています。
実は、1995年段階で二酸化炭素排出量は、先進国全体で90年と比べて4.6%減少しているのです。
減少量の7割を占める旧ソ連をはじめ、ドイツ、イギリス、旧東欧諸国が大きく貢献しています。
一方、増加しているのはアメリカ、日本、カナダ、オランダ、オーストラリアなどで、特に、アメリカの56%と日本の21%がダントツです。
実に2国だけで、二酸化炭素増加分のうち8割近くを占めているのです。
地球温暖化の予測IPCCは「21世紀末までに気温が2℃、海面が50センチメートル上昇する」としています。
ただし、この数値には幅があり、もう少し正確に表現すると「現実的にありえる値として、最大で約気温が4.5℃、海面が1メートル上昇する」と予測しているのです。
激しくなる気候変動平均気温が4.5℃違うと、温暖期と氷河期の差ほどに気候が変わってしまう可能性があります。
したがって本来、このシナリオが実現しないような対策をとるべきなのですが、多くの専門家は中位の予測である「2℃、50センチメートル上昇」を前提にしているようです。
とは言え、2℃の違いでも大変深刻な影響が出ると予想されています。
それどころか、現在よりも平均気温が1℃上がるだけでも、過去1万年間に見られなかった激しい温度上昇なのです。
日本は1994年にかつてない猛暑に襲われましたが、この年の気温でも平年と比べて約1℃しか高くなかったのです。
しかし、たった1℃の違いで、記録的な高温、小雨、渇水など大きな影響があったのは記憶に新しいところです。
また、「地球温暖化で極端に気温が下がる」と予想されている地域もあります。
アメリカの気象学者が、「10年以内にヨーロッパの一部の冬の気温が11℃も低下する可能性がある」と発表したのです。
ヨーロッパが比較的暖かいのは、メキシコ湾流という暖流のお陰です。
温暖化でメキシコ湾流の進路が変わり、ヨーロッパが極端に寒冷化するのはあり得ない話ではありません。
南極、北極で10℃以上の温度上昇地球温暖化の重要ポイントのひとつに、「気温の上昇は南極や北極で大きく、熱帯地方ではごく小さい」というのがあります。
どの研究機関も「熱帯地方では気温がほとんど上がらず、南極と北極地方で大幅に温度が上昇する」という点で一致しています。
具体的には、多くの研究機関が「100年後に南極や北極地方の周辺で、冬に10℃以上気温が上がる」と予測しているのです。
観測記録でも、この100年で地球の平均気温が0.3〜0.6℃上昇しましたが、その間に南極や北極周辺では2.5〜3℃上昇したことが確認されています。
タテ軸は、緯度を示しOが赤道、90が北極、‐90が南極を示します。
またヨコ軸は、一年間を月ごとに表しています。
これを見ると、冬の高緯度地方で著しい温度上昇が起こる可能性があることが分かります。
永久凍土がとけてメタンが大量に放出されるこの温度上昇で、シベリアやアラスカなどで永久凍土がとけ始めています。
永久凍土とは、水分が凍って岩石のように硬くなった土のことで、アラスカ、カナダ、シベリアなど夏も地中の温度が氷点下の地域で見られます。
温暖化が進めば、永久凍土のとけるスピードが加速され、閉じ込められていたメタンが大量に放出される可能性があります。
メタンは同じ質量ならば、二酸化炭素の58倍(同じ体積ならば21倍)もの温暖化の力を持っています。
つまり、永久凍土地帯から大量のメタンが放出されることによって、温暖化がますます加速されてしまうのです。
温暖化予測の落とし穴酸I性雨は地球温暖化を妨げる?前述のように、IPCCは「21世紀末までに気温が2℃、海面が50センチ上昇する」としています。
実はこの値は、IPCCが1990年に予測した「気温は3〜4℃、海面は65センチメートル〜1メートル上昇」というものから下方修正されているのです。
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